【完全保存版】いちばん分かりやすい!ベトナム進出について-1-

Xin chào シンチャオ!! YOKOYAMA KAIKEI(横山会計) 代表の横山(ヨコヤマ)です。

 

さて、今回は本格的にベトナムに進出してビジネスを行うかどうかの検討について、詳しく見ていくことにしたいと思います。

私自らがベトナム進出を経験していますので、当然、いちばん分かりやすい!

製造の拠点として、もしくは販売の拠点として、あるいはどのような形態で進出をおこなうかを調査する目的などでベトナム進出を検討している皆さま

第1回の今回は1)ベトナムという国の特徴

 ※参考:第2回は2)進出地域・形態ごとの比較(https://yokoyama-kkg.com/archives/23419)

 ※参考:第3回は3)会社設立の具体的な手順や規制事項(https://yokoyama-kkg.com/archives/28406)

ということで、3回に分けてご案内していきたいと思います。

【1】ベトナムという国の特徴

まずは、ベトナムという国をあらためて、ざっくり理解してもらったうえで、他国と比べたうえでのメリットをお伝えできればと思います!

(1)概要

1)正式国名 ベトナム社会主義共和国(Social Republic of Viet Nam)
2)面積 約33万㎢([参考]日本:約38万㎢の約87%、タイ:51万㎢、マレーシア:約33万㎢)
3)人口 9,762万人(2020: 越統計総局)

([参考]日本:1億2580万9千人(2020.8 総務省統計局)、タイ:6,980万人(2019 United Nations, Department of Economic and Social Affairs)

4)都市 ハノイ(首都:809万人(うち邦人:7,802人※))、ホーチミン(885.9万人(うち邦人:9,464人※))、ダナン(123.1万人)

※2019年ハノイ市統計局
※外務省領事局政策課発表:海外在留邦人実態調査(平成30年要約版)

5)民族 キン族※:約86%、その他53の少数民族

※ベトナムの主要民族で、狭義におけるベトナム人である。別名、ベト族、アンナン族とも呼ばれる。

6)言語 ベトナム語
7)宗教 仏教(80%)、カトリック、他
8)体制 社会主義共和国
9)教育 5・4・3制(9年間の義務教育)

(2)歴史(※詳細は割愛します。各自お時間あるときにじっくりお調べください。)

年月 略史
紀元前207年 南越国の成立
1009年 李王朝の成立
1010年 首都をタンロン(現在のハノイ)に定める
16世紀 ホイアンの日本人町が栄える
1884年 ベトナムがフランスの保護国となる
1905年~ 独立運動家ファン・ボイ・チャウがドンズー(東遊)運動を開始
1930年2月 ベトナム共産党結成
1940年9月 日本軍の北部仏印進駐(1941年南部仏印進駐)
1945年9月2日 ベトナム共産党ホーチミン主席,「ベトナム民主共和国」独立宣言
1946年12月 インドシナ戦争
1954年5月 ディエンビエンフーの戦い
1954年7月 ジュネーブ休戦協定,17度線を暫定軍事境界線として南北分離
1965年2月 アメリカ軍による北爆開始
1973年1月 パリ和平協定,アメリカ軍の撤退
1973年9月21日 日本と外交関係樹立
1976年7月 南北統一,国名をベトナム社会主義共和国に改称
1979年2月 中越戦争
1986年 第6回党大会においてドイモイ(刷新)政策が打ち出される
1991年10月 カンボジア和平パリ協定
1992年11月 日本の対越援助再開
1995年7月 アメリカとの国交正常化
1995年7月 ASEAN正式加盟
1998年11月 APEC正式参加
2007年1月 WTO正式加盟
2008­­年~2009年 国連安保理非常任理事国(初選出)
2010年 ASEAN議長国
2014年~2016年 国連人権委員会理事国
2017年 APEC議長

※外務省ベトナム基礎データより

(3)経済(※ASEANの中でも高い経済成長率と、低い失業率)

1 主要産業

農林水産業(GDPに占める割合14.85%),鉱工業・建築業(同33.72%)、サービス業(同41.63%)

2 GDP(2020年,IMF推計値)

約3,406億米ドル (7,972兆ドン)

3 一人当たりGDP(2020年,IMF推計値)

3,498米ドル(8,190万ドン)

※参考:
[タイ]7,810ドル(2019年、IMF)
[インドネシア]4,174.9ドル(2019年、インドネシア政府統計)
[ミャンマー]1,441ドル(2020/21年度、IMF推計)

4 経済成長率(2020年,年平均,越統計総局)

2.91%(2020年,年平均,越統計総局 ※参考:2018年:7.08% 越統計総局)

※参考:
[タイ]2.4%(2019年,IMF)
[インドネシア]5.02%(2019,インドネシア政府統計)
[ミャンマー]5.7%(2020/21年度,IMF推計)

5 物価上昇率(2020年,年平均,越統計総局)

3.23%

※参考:
[タイ]0.71%(2019年,IMF)
[インドネシア]2.7%(2019,インドネシア政府統計)
[ミャンマー]6.2%(2020/21年度,IMF推計)

6 失業率(2020年,越統計総局)

2.26%(都市部:3.61%、農村部:1.59%)

※参考:
[タイ]1.0%(2019年,IMF)
[インドネシア]5.3%(2019,中央統計庁BPS)
[ミャンマー]約4.0%(2020/21年度,IMF推計)

7 貿易額(2020年,越税関総局)
(1)輸出
2,827億ドル(対前年比 7.0%増)
(2)輸入
2,627億ドル(対前年比 3.7%増)
8 主要貿易品目(2020年,越税関総局)
(1)輸出
繊維・縫製品,携帯電話・同部品,PC・電子機器・同部品,履物,機械設備・同部品等
(2)輸入
機械設備・同部品,PC・電子機器・同部品,繊維・縫製品,鉄鋼,携帯電話・同部品等
9 貿易相手国・地域(2020年,越税関総局)
(1)輸出
米国,中国,日本,韓国,香港
(2)輸入
中国,韓国,日本,台湾,米国
10 通貨

ドン(Dong

11 為替レート(国家銀行による基準レート)

1ドル=約23,090ドン(VND)(2021年1月5日)

12 外国からの直接投資実績(2020年,越外国投資庁)

285.3億ドル(直接投資:146.5億ドル(認可額)、追加投資:64.1億ドル、証券投資:74.7億ドル)

13 経済概況
  • (1)1989年頃よりドイモイの成果が上がり始め,アジア経済危機の影響から,一時成長が鈍化した時期があったものの,1990年代及び2000年代は高成長を遂げ,2010年に(低位)中所得国となった。
  • (2)2011年以降,マクロ経済安定化への取組に伴い,一時成長が鈍化したが,過去数年はASEAN域内でもトップクラスの成長率を達成(2015年6.68%,2016年6.21%,2017年6.81%,2018年7.08%、2019年7.02%)。特に,数多くの自由貿易協定(FTA)の発効(2020年末時点で14のFTAが発効済)、ODAを活用したインフラ整備、低賃金の労働力を背景に、外資の製造業を誘致し、輸出主導型の経済成長を続けてきた。
  • (3)2020年は、新型コロナ感染症の影響により10年ぶりの低水準の成長率となったが、近隣諸国がマイナス成長の中、ASEAN内で最も高い成長率を記録した。

※外務省ベトナム基礎データより

(4)対日関係(※日本との密接な経済関係。)

1 日本の援助実績

1992年11月以降経済協力再開。日本はベトナムにとって最大の援助国。

我が国の対越ODA供与規模・実績(単位:億円)
年度 2015 2016 2017 2018
円借款 1,787.61 1,321.42 1,003.04 0
無償資金協力 38.60 26.35 30.43 13.63
技術協力 101.42 90.40 67.10 64.81
(注)
「年度」の区分は,有償(円借款)は交換公文締結日,無償及び技協は予算年度による。
金額は,有償及び無償は交換公文ベース,技協はJICA経費実績ベースによる。

2 主要援助国(2017年,DAC集計ベース)

  • (1)日本
  • (2)ドイツ
  • (3)韓国
  • (4)フランス
  • (5)米国

3 経済関係

(1)対日貿易(2020年,越税関総局)

 ① 貿易額 396.2億ドル(対前年比 4.6%)

・輸出 192.8億ドル(対前年比 2.4%増)

・輸入 203.4億ドル(対前年比 6.8%増)

 ② 品目

・輸出 縫製品,輸送機器・同部品,機械設備・同部品,木材・木工品,水産物

・輸入 機械設備・同部品,PC電子機器・同部品,鉄,縫製品原料,プラスチック原料

(2)日本からの投資(2020年,越外国投資庁)

  • 23.7億ドル(認可額)(株式投資を含む)

(3)ハノイ日本商工会(現ベトナム日本商工会議所)発足(1992年12月)、JETRO事務所開設(1993年9月)、ホーチミン日本人友好倶楽部(現ホーチミン日本商工会議所)発足(1993年末)、OECF(現JICA)事務所開設(1995年1月)、JICA事務所開設(1995年5月)、国際交流基金事務所開設(2008年3月)、ダナン日本商工会発足(2008年10月)、JNTO事務所開設(2017年2月)、JASSO事務所開設(2017年3月)

(5)ベトナム進出5つのメリット

それでは、ベトナムに進出するメリットとはいったい何なのでしょうか。

1)経済成長のスピード

中国の経済減速の影響で、東南アジアの多くの国が経済停滞に悩む中、ベトナムだけがGDP成長率を約6~7%を維持し(2018年:7.1%、2019年:7.0%、2020年:2.91%(コロナ影響))、著しい経済成長を続けていることが大きなメリットです。

2)労働力の質の高さ

平均年齢31歳と日本の45歳と比べてとても低く、若くて優秀な労働者が多いです。また、ベトナム人は素直で勤勉、そしてとても器用と言われており、新しい知識を仕事に活かすことが期待できるというメリットがあります。

3)アクセスが良い

ベトナムは東南アジアの中央に位置しており、中国や、ASEAN諸国へのアクセスに大変便利な立地の良さがあります。

 

 

 

 

 

 

 

4)自由貿易

ベトナムは1億人に迫る人口と消費マーケットを有しており、政情や治安も安定しています。
WTO加盟後に外資規制が緩和されてから、随分と貿易が行われやすい状況になりました。

5)豊富な天然資源・地理的要因

ベトナムは南シナ海に面していて貿易がおこないやすく、熱帯雨林に位置していることから豊富な地下水源を有し、水力発電が総発電量の1/3以上を占めます。(日本は水力発電7.6%…経済産業省エネルギー庁「エネルギー白書2018」)

製材品・紙・パルプや燃料として利用できる森林資源が豊富であり、また石炭産業の成長が著しく、鉱物資源の埋蔵量も豊富です。とくに近年の油田開発により、原油の埋蔵量や生産量はインドネシアやマレーシアの水準に近づいています。

(6)ベトナム進出3つのデメリット

メリットだけをお伝えするのはフェアではありませんね。是非デメリットもきちんと理解したうえで、進出を検討ください。

デメリットに対する対策を検討できていれば、進出後の立ち上がりの早さや、事業成功の確度も高まります。

1)安定しない法制や政策

ベトナムでは、中央政府で決定された法令や政策が現場に到達するのに時間がかかるということがあります。また、政策自体が、頻繁に変更されたり、不確定な情報に振り回されたり、状況の変化に応じてすぐに前言を撤回したりすることもしばしばです。

そのため各地域や、担当している人によっても言うことが異なり、不整合や不公平な場面に出くわすことが多々あります。また、予期せぬ罰金やチップを要求されることがあります。

2)離職率が高い

ベトナム人は真面目で勤勉といわれることから、日本同様、同じ会社に長く貢献し続けてくれると考えてしまうかもしれません。しかし、実際にはかなり離職率が高く、ある人材コンサル会社が調査したデータによると1年間のベトナムの転職率は19.4%と大変高いものでした。(1年で5人に1人が辞めてしまうリスク!)

ベトナム人は社内のコミュニケーションを重んじます。日系企業が進出する際は、離職させないためにも最初は2名以上を採用する、言語の壁を乗り越え、コミュニケーションを密に取っていく、などの対策を検討しておくことも大切です。

3)インフラ・環境が整っていない

ベトナムでも近年、高速道路建設、地下鉄工事など、様々な計画が進められていますが、インフラ整備が遅れていることは、やはりデメリットのひとつと言えます。元々農業国家であったベトナムで大きく経済発展が始まったのは、1980年代から始まったドイモイ政策以降であったため、インフラ整備が遅れてしまったという側面があります。

またバイク普及率が非常に高いベトナム市内では、排気ガスなどによる大気汚染などといった環境問題や、紫外線による健康被害も課題となっている状態です。また未整備の交通インフラにより、渋滞や事故に巻き込まれることも少なくありません。

第2回は2)進出地域・形態ごとの比較(https://yokoyama-kkg.com/archives/23419)

第3回は3)会社設立の具体的な手順や規制事項(https://yokoyama-kkg.com/archives/28406)

 

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